「………美羽ちゃん?」


「嘘だよ。ごめん。お礼なんていらない。」


舌をペロッと出しながら、彼を見た。


「プレゼント、考えておいて?ま、とりあえず、カイロ、買いに行きます。美羽ちゃんの為に。」


私の両手をそっと手にとった。

彼の掌に包み込まれた手は、彼の吐息で暖かくなった。


「2月だもんな。今更だけど、朝の散歩、やめる?」


心配そうに彼が言う。


「逢える時間は減っちゃうけど、風邪ひくよりは」


「やだ。」


唯一、ほぼ確実に逢える時間。

私にとって、かけがえのない時間。


「あ………ごめん。瞭くんがやめたいんだったら……。」


「やめたいはずないじゃん?この時間が一番確実に美羽に逢えるんだから。」