「おはよ。」


「おはよう。」


「寒いな、今日も。」


「カイロ、あるよ?」


「いらね。俺には美羽がいるから。」


朝の公園。

恥ずかしげもなく甘い台詞を口にする。


「私、カイロだったんだ?」


「知らなかった?俺の大切なカイロさん?ほら、こうするとさ、体も心も暖かくなる。」


顔色ひとつ変えずに、笑顔で私を抱き締めた。


「ん。大丈夫。」


「え?」


大丈夫。

そう言いながら、大きく息を吐いた。

そして、私をじっと見下ろすと、にっこり笑った。


「キス、しても良い?」


「………何?」


「だから、キス、しても良い?」


「どうして?」


「美羽が笑ってるから。」