「私も手伝うから。」


毎日、どんどん売れていくリング。

手作りだから、出来る数には限りがある。

でも、出来る限り、精一杯作り続けた。

心の揺れとは全く関係が無いところで、周りが騒々しくなった。

その騒々しさが落ち着いたころ、彼は、ひとりでやってきた。









     彼











    『瞭くん』









でも、そこにいたのは、私が知ってる瞭くんだった。

震える私を抱き締めて、


「どこにも行かないで。」


と告げられた告白。


そして、私達は、ゆっくり、始まった。