「美羽みたいだなって。」


「え?」


優しい瞳で私を見下ろした。


「真っ直ぐに昇ろうとしてる。なのに、時々、雲が邪魔をするんだ。笑いたいのに、笑えなくて。でも笑おうとする。こんなに綺麗で、優しいのに、一人で陰に隠れて我慢して。」


何を言いたいのかわからなかった。


「話して楽になるなら、少しでも笑えるなら、俺はここに居るよ?」


その瞬間、涙が溢れた。






彼の少し冷たい指が、頬を伝う涙に触れた。






「ごめ……………わたし…」









「謝んない。美羽は我慢しすぎ。泣きたかったらいっぱい泣いて良いから。」


そっと抱き締められ、私は、止まらなくなった涙を流し続けた。