「美羽?」


きっと、今の私は、不安でいっぱいな顔をしてるんだろう。

彼の前では、弱い自分を隠せなくなっているのだろうか。

心配そうに私を見つめる彼を、見つめかえした。


「…………夜、逢える?」


「ん〜、難しいかな。夜中になっちゃう。ごめんね。」


困ったように話す彼。


「ごめん。」


困らせてしまうのはわかっているのに。

わかっているのに、何故か口から出てしまった。

出てしまってから、今更のように後悔した。


「美羽?」


ほら、彼が心配そうに見てる。


「仕事、頑張って。私もモリモリミシン踏まなくっちゃ。あ、そろそろ行かなきゃ、私。」


彼の腕時計が7時をさそうとしていた。