愛情の距離




◇◆◇



「安藤…、お前アメリカの野球見たくないか?」

朝倉先生からの突然の電話。

携帯を持つ手も汗ばんで、防水じゃないことを恨んだ。



なんせ今は、初夏真っ盛りだから。





その時俺は、推薦で入学した大学に通いながらバイトをし、
趣味で野球の同好会に入っていた。

正直、今俺がしている野球は野球じゃない。
つまらない野球だ。