「今日華、背中を押してくれてありがと。」
すんなりと出た言葉だった。
いつもは絶対に素直にお礼なんて言えないあたし。でも、今回のことは、あたしにとって、ものすごく大事なことで……。
「あら、そういうことは、服を着て、夕飯に行ける支度が出来たらにしてちょうだい!」
…やっぱり、今日華にはかなわないや~……
あたしはそそくさとベッドから降りて、自分の服をつかむと、急いで身にまとった。
靴下を探していると、ベッドの上に携帯を見つけた。
メールが来ていた。
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送信者:安藤尚
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件名:無題
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久しぶりに会えて嬉しかった。
俺、まだ学校に用事残して来たからいったん帰るな。
お前がいる間は、お前の部屋に泊まらせてもらいたいかな。
起きたら返事ください
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「お熱いことで。」
今日華が横からのぞいてくる。
その顔は、微妙に笑ってくれているみたいだった。


