愛情の距離




「……っ。ごめん、夏奈ちゃん。びっくりしたよね。
なんか、夏奈ちゃん、寂しそうで、俺、つい………」





「ごめん」なんて謝ってるくせに、まだ俺は夏奈ちゃんを抱きしめている。



俺、あの時──尚と夏奈ちゃんのデートを見た時──から、夏奈ちゃんを好きだったんだ。

尚には言うまいと思っていたし、気持ちを伝えようとも思わなかった。





でも………



もうダメかも。





尚………早く帰って来てくれ。
夏奈ちゃんを、離さないで。