愛情の距離




「な、何あれ…」



向こう側のスタンドにいる、相手チームのファンが、ブーイングしてる…



「デッドボールだろ。日本じゃドンマイって勇気付けるところだけど、こっちはこうだ。なんせ野球大国だからな」


「でも、なんかかわいそう」


「確かにな。でも、これに打ち勝たなきゃ、逆にメジャーになんかいられない」



ふーん…と頷くあたしに、安藤尚は笑った。

「夏奈らしいな」



つられてあたしも笑った

「いいね、野球は!」