「俺の兄貴はかっこいいんだ。」 「は?」 「だから、心配になった。夏奈が、寂しい時に抱きしめてくれた兄貴を……」 ……言えなかった。 言ったら本当にそうなる気がして。 怖くて、言えなかった。 「夏奈ちゃんのこと、好きなのか?お前の兄貴。」 「たぶん……」 俺は兄貴に勝った事がない。 だから怖い