愛情の距離






「え……?」

ガバッと顔を上げる夏奈は、心当たり無さそうだ。



「兄貴が、お前を家に呼んだって?」





「あ、あれは、あたしが安藤尚がいなくて寂しくて……慰めパーティーに安藤尚のお母さんと知緒さんが呼んでくれて……」



静かに話しだす夏奈。



「慰めパーティー?」

「うん……あたし、実はすごく落ち込んでて……」



なんか、嬉しいような……



「そしたら、玄関で安藤尚がいないの実感しちゃって……立ち止まったら、知緒さんが……」



「お前を抱きしめた……?」



こくりと頷く。