愛情の距離




「……るせぇ。」



俺は舌打ちすると、野球部の後輩達を睨んだ

すると、野球部は俺の怖さを知ってのことか、サーッと引き下がる。



「すみませんでした!つい、嬉しくて…」



頭をさげる後輩を置いて、俺は校舎に進んだ。
……なぜか女子どもはついてくる。





「失礼します。卒業生の安藤と言いますが、朝倉先生いらっしゃいますか?」



すると、朝倉先生はダッシュで俺のところへ来た。

「どうしたんだ?」

少し心配そうな顔で聞く朝倉先生に吹き出しそうになりながらも、俺は続けた。



「葉月夏奈に会いたいんですけど…」



「葉月……?」

「はい。」

今年に入って、朝倉先生は夏奈の担任になったそうだ。