「まじかよ………まいったな。」


「だって………」


「そこ座っとけ。じっとしてろ。」


「…………ごめん。」


消えそうな声で謝っている俺の恋人、美里。


「はぁ……良いから。」


溜め息しか出ない俺。

そんな俺を恨めしそうに見つめる視線を振り切り、気合いを入れた。

さてと、とりあえずごみ袋を引っくり返しますか。

って……入ってねぇし。

覗いただけで探し物がないということはわかる。

だって、一時間前、俺より早く起きた美里が綺麗さっぱりゴミ収集に出してくれたから。

確かに今日はゴミの日。

だからと言って、俺の大事なものを捨てていいとは何がどうなったって言えないはず。