「言わなくて良いから。」


繰り返し、私を腕の中に収めた。


「いつかさ、いつか、言えるときが来たら…」


「好き。」


「……え?」


「好きだよ。大和。」


一瞬力を緩めた後、言葉なく私を抱き締める優しい腕。

ちゃんと応えなくちゃね。

ごめんね。


「大和にしか言わない。」


「あぁ。俺も空良にしか言わない。大好きだよ。愛してる。」


そっと背中に回した腕。


「空良。」


小さく呟き、そっと体を離す。

見上げた大和はいつもの真摯な大和じゃない。

少しうるんだ瞳が力を持って私を捉える。

頬に添えられた指が優しく、そして強く私を熱くした。