「ねぇ、何がいいと思う?」
「……え、えっと……」
あたしはモヤモヤした気持ちのまま、すぐ近くにあったネックレスを手に取った。
「……これでいいんじゃない」
明らかに様子がおかしいあたし。
「あ、うん、じゃあこれに……」
トオルはあたしの言うとおりにそのネックレスを買おうとした。
「や、やっぱりだめ!!」
あたしは大声を出した。
「え?えっと?比奈……?」
「彼女ってどんなタイプ?かわいい系とかクール系とか、好きな色とか!」
「えっ!?えっと……」
トオルの彼女にはヤキモチを妬いた。
……でも、ちゃんとしたのを、あげたかった。

