「…………」



掴んでた手を緩め、奈津子の制服のシワになっちゃったところをパッパッと払い、伸ばす。



「あい。ごめちゃい」


「分かればよろしい!」


満足気に手を腰にあて、ふんぞり帰る奈津子。



「……でっ?なに?」


「なにが?」


「あんたねぇっ!用もないのに呼んで、私はほっぺたとおしりに損傷を負ったのかい!?」


「あははははっ!!あの落ちっぷりは見事………あ。……ごめちゃい」



私の睨みがよっぽと恐かったのか、奈津子も素直に謝る。
私の席の前の椅子に横向きに座り、上半身だけこちらに向ける。私も席に戻る



「だって〜、アオ。学校来てから、ずーっと気持ち悪い百面相してんだもん。こりゃ、昨日『愛しのカテキョ様』となんかあったな〜って思って」


「えっ!?」


「昨日でしょ?水曜」


「う、うん。まあ……」



改めて昨日の感触が思い出されて、顔の温度が上昇する。