陽も落ちるのが早くなったこの季節。



(すぐ寒くなるんだろうなぁ…)



時間は6時を回ってた。
お店を出た時に地面が濡れていたので、ちょっとは降ったのかな?



奈津子達のカラオケは、結局延長2時間もして、大盛り上がりで終わった。



カラオケ大好き!



今回の私の決断の話を、こそっと奈津子に聞いてもらった。



「うん。良いと思うよ。頑張れ」って真面目な顔で言ってくれた。勇気が出た。



最後に奈津子が唄った歌を口ずさみながら、家の前まで行くと



「あれ?」



普段使わない和室に灯りがついてる。



人影が動くのも見える。



(お客さんかな?)



玄関を開けると、多女所帯にはありえない大きな靴が一足。



「ただいま〜…」



荷物も置かず、そのまま和室に直行した。



「あ、帰って来た。アオ、おいで」



私の声に気付いたお姉ちゃんが、笑顔で呼ぶ。



朝に会った姿からは想像できないほど、メイクも服も髪型もばっちりだ。



横に知らない男の人が座っている。