時計が秒針を刻む音と私が走らせてるシャーペンの音しか聞こえない部屋。



部屋の中央、青いじゅうたんの上に置かれた正方形の白い天板の座卓で、向かいあって座ってる私ともうひとり。



シャーペンの動きを止める。



「…できた」


「答えは?」


「2!!」


「ブーッ!自信まんまんに間違うな。……ちと休憩」


そう言うと、今シャーペンを走らせていたノートを持ち、立ち上がって窓辺まで移動した先生。



窓を開けて桟に腰掛ける。


(かっこいいなぁ…)



すらっとした長い足を投げ出して、その開いているページを見ながら私が計算した経過を指でたどっている。



風が入ってきて、先生のすこし長めの前髪が揺れる。
見惚れる。



途中で先生の指の動きが止まった。



じっと見てた私と目が合う。