電話先でそう言って話しを聞いてくれる美結


『でも雫も嫌いなんでしょ?だったら別にいいんじゃない♪』


嫌い……


そっか。あたし、藤宮のこと嫌いなんだよね……


「で、でも、そんな悪い奴じゃなさそうだし…」



実際に話してみたら優しかったし……


『あははッ』


携帯から聞こえてくる美結の笑い声



『そんなに焦んなくても』


「べ、別に焦ってなんか…!!」



そうだよ……焦ってなんかない!


「雫。そろそろ気づきなよ。」



気づく……?



だから何に?


『逃げてちゃダメだよ。』


「に!逃げてるって何に!?」



『そっからは自分で考えなよ。ただ、雫は王子のことどう思ってるの?』



「どうって。だから……」


嫌い…?好き……?


あれ?なんであたし迷ってるの……?