「優しくする意味がどこにある?」 「お前なぁ―相手が傷つくだろが。」 はあ?相手が傷つくとか関係なくねぇ? 俺の知ったことじゃない。 「少なくとも相手はお前に好意をもってるわけで、そんな冷たくする必要ないじゃんか。」 俺はそんな秀哉の問いに何も答えなかった。 好意を持たれたって、特別嬉しいわけでもない。 「はぁぁ―…。なんでこんな奴が王子なんだろ?」 あからさまなため息をついて、ガッカリしたように言う。