王子嫌いなお姫サマ☆



あたしは逃げた


自分の気持ちからも……



龍の気持ちからも……


逃げたんだ……。


宛てもなく歩く



学校には居たくなくて、飛び出してきた


……どのくらい歩いたんだろ―…


ただ無心に歩いていたせいで、足が痛い



辺りは日が段々と影ってきた


今日はお兄ちゃんが退院する日


迎えにいけなかったな―…



家に帰ればお兄ちゃんがいるはず



でも今まで通りの家族では無い……


家族じゃないんだ……


「っ……」


――ギュッ



その時、優しく後ろから抱きしめられた


「……雫」



な、なんでここにいるの……?