「イヤッ!!」



突然そう叫んだ雫。


ギュッと握り締めた手は震えている


「……ど、どうしたの?佐倉さん?」



俺に無言のまま近づいてくる雫


俺の周りの女子が、困惑したように雫に言った



「………だから…」


「えっ?」



「……龍はあたしのなんだからっ!!」


叫ぶようにそう言った雫。


今にも泣きそうな目で俺たちを見る



「何、言ってるの?」


意味がわからない……と言ったような顔をする女たち



「龍と帰っていいのも、手を繋いでキスしてもいいのもあたしだけなんだから!!…………って、えっ!?」



気づいたら俺は雫を抱きしめていた