「さむっ…」 「冬だもんね」 「初詣とか別に行かなくてよかったし」 「あたし甘酒飲みたいの!」 え、理由そんだけ? …まぁいいけど。 てかさ、人多すぎ。 俺は大丈夫だけど、綾芽はチビだからな… 「ひなたっ…」 後ろを向くと、案の定人込みにのまれそうな綾芽が目に入った。 「綾芽」 名前を呼んで手を伸ばすと、綾芽は一瞬ためらって、俺の手をとった。