もうすぐ日付が変わって、それと同時に年が明ける。



「早く行こっ」

「もう少し待て」

「演歌ばっかりじゃん!」

「バーカ、演歌は日本の心だ。聞かないまま年が明けるとか有りえないだろ」

「そんなこと言う高校生今時いないよ…」

「ここにいるし」



出かける準備をしない俺に苛ついた綾芽はテレビのスイッチを切ってしまった。



「おいっ…何してんだよ!」

「うっさいバカ!行くの!」

「ったく…しょうがねぇな…」



外は雪が降っていた。