「っ…ムカつく」



ガチャ
部屋のドアが開いた。


「日向?」

「何だよ。急に開けんな」

「ごめんね。今暇でしょ?」

「…だから?」

「綾芽ちゃん今日誕生日だからケーキ焼いたの。お隣りに持ってってよ」



──そうだ。

今日は綾芽の誕生日だった。


だけど…



「無理」

「何で?」

「何でも。てか姉貴が自分で持ってけばいいだろ」

「私今から用事で出かけるの。それに、あんたのためでもあるんだからね?」