キーン コーン カーン コーン



チャイムが鳴る。これがなるとみんなは一斉に席に着く。もう癖になっている。


「次はなんだっけ?」


ありさはポツリとつぶやいた。


「数Ⅰ」


ある男子がそっと呟いた。その子はありさの隣の子だ。

ありさは反射的にその子を見た。彼は真っ赤になって下を向いた。なんてキュートな子なのかしら。


「ありがとう。」

ありさはみんなを悩殺する、「あの」笑顔でお礼を言った。まぁ、彼女は意識してない訳だけど。