その後、何度かみんなに冷やかされながらも、私は彼と2人きりになることができず、同窓会は終わった。

チョコは、渡せなかった。




自分で買ったチョコを手に持ったまま、私はホテルを後にした。

冬の夜風が頬を刺して、街のネオンが目にしみた。


「寒いね。」


突然、後ろから話しかけられ、驚いた私は少しよろけた。

驚かせた張本人は私の体を腕1本で簡単に支える。

声の主は彼、タケトだった。


「なんだ、タケトか。」

「ごめんね、イケメンじゃなくて。」


全然、悪びれる様子もなくクスクスと笑う彼は、やっぱり私の知ってるタケトだった。