みんなで冗談言い合って、肩叩き合って、笑い合って――、充分じゃない。

変わったのは、ジュースがお酒になったくらい。

彼とは友達でいよう、これからもずっと。


「あれ?ハルが持ってる袋って、もしかして喫茶ノムラ?」


クミの何気ない一言に、私の肩が大きく揺れた。


「やっぱりそうだ。私、その袋、欲しかったんだよね。」

「ハル、やっと俺にチョコくれるんだね。」

「んなわけないでしょ?」


みんなの視線が私に集中する。

私の決心は、あっけなく崩れ去った。


「ごめん……。今年は本命だけって決めたから。」