「喫茶ノムラかぁ、懐かしいな。」


クミがポツリと呟くと、みんなが口々に思い出を語り出した。

パフェがおいしかった、とか、高校生にはちょっとキツかった、とか、でもおいしいからいいか、とか。

そんな中で、誰かが言った。


「そういえばさ、喫茶ノムラってバレンタインのウワサがあったよね?」

「あった、あった!喫茶ノムラのチョコで告白したら成功する、ってやつでしょ?」

「そうそう。俺、待ってたなぁ、喫茶ノムラのチョコ。」

「誰かくれた?」

「それがさぁ……、誰もくれなかったんだよ。」


みんなで笑いあう。

あの頃と何も変わってない。

ほんの少し年をとっただけ、だよね?