「ハル、久しぶり!」


クミの懐かしい声に名前を呼ばれて振り返ると、そこにはみんながいた。


「遅いから、来ないのかと思ったよ。」


予定より30分早く出たはずだったのに、私が会場に到着したのはギリギリの時間だった。


「ちょっと寄り道してたら、遅れちゃった。」


言い訳をしながら、1人ひとりの顔を見つめていく。

みんな、大人になっていた。

だけど、集まればすぐにあの頃の空気が戻ってくる。

彼の笑顔もあの頃のままだった。


「寄り道って、どこに行ってたのよ?」

「ふふっ、喫茶ノムラに。」


喫茶ノムラの名前を聞いた瞬間、みんなの顔が輝いた。