どんな顔をして彼に会えばいいのかなんてわからないまま、私は支度していた。

パーティードレスを着て、髪をアップにして、いつもより時間をかけてメイクする。

手を休めることなく、でも、頭も休めることなく。

結局、5年前も今も、私は彼でいっぱいなんだ。

もう終わったと思ってたのに。

もう過去のことだと思ってたのに。




ばっちりメイクした自分の顔を鏡で見ると、なんだか笑えた。

大人になったつもりでいたのにね。

外見は変わったって、心は高校生のままだった。

伝えられなかった思いは、心の奥底に隠れていただけでなくなってはなかった。

いっそのこと彼が変わっていたら、諦められるかもしれない。