喫茶ノムラへようこそ!

日曜日。

私が約束の場所に着くと、シノブは待ちくたびれた様子だった。


「ごめん、待った?」

「もう、遅いっ!」


パッと見でも、カップルに見えるだろうか?

それにしてもシノブ、嬉しそうな顔してるなぁ。

甘党だからねぇ。


「ねぇ、ミツキ。喫茶ノムラのウワサ、知ってる?」

「ううん、知らない。」

「あのね、この前、サークルの後輩に聞いたんだけど。」


自慢げにシノブはちょっと笑うと、また、話し始めた。


「バレンタインに喫茶ノムラのチョコで告白すると、成功するらしいの。」

「……ふーん。」