気がつくと、もう分かれ道まで来ていた。

コータは右へ、アタシは左へ。


「じゃあね、バイバイ!」

「あっ、うん。」


さっさとバイバイして、アタシは左の道に進んだ。

何か、今日はコータの顔をあんまり見たくなかった。

5、6歩進んで振り返ると、アイツはちょうど歩きはじめたところだった。

トボトボと歩く後ろ姿が、やけに寂しそうに見える。


「コータ!」


思わず、アタシはアイツを呼び止めていた。

先のこととか、何も考えないで。

コータがゆっくりアタシの方を振り返った。


「……何?」