「チカー!待ってよー!」


アイツが追いかけてくる。

大声でアタシの名前を叫びながら。


「もうっ!道路でそんな大声、出さないでよ!」


アタシはアイツの方を向いてそれだけ言うと、また歩きはじめる。


「何、怒ってんの?一緒に帰ろうぜ?」


やっとアタシの隣に並んだアイツは、アタシの顔を不思議そうに覗き込む。


「別に、怒ってなんかない。」


どうせ、言ったってわかんないでしょ?

アンタのせいで、頭はズキズキするし、胸はドキドキするし。

……はぁ。

何でコータなんだろう。