今日のレッスンもいつも通りだった。

マキちゃんは完璧な演奏をして、先生に誉められっぱなしだった。

アタシはそこそこの演奏で、先生から2、3箇所注意された。

アイツは譜読みさえしてなくて、先生に呆れられてた。

ただ、アイツはそんなのお構いなしに笑ってたけど。

まぁ、それもこれもいつものことで、何事もなくレッスンは終わった。


「はい、じゃあ、今日のレッスンはこれで終わり。また来週、元気で来てください。さようなら。」


一通り挨拶が終わると、アタシたちは先生の家を出た。

アタシとアイツは帰り道が途中まで同じだから、どうしても一緒に帰るようになってしまう。


「マキちゃん、バイバイ!」

「うん、バイバイ。」


マキちゃんに手を振ると、アタシは早足で歩き出した。