「ねぇ、ハル?」

「ん?」


こうやって、2人並んで歩いてると、本当に高校生に戻ったみたいだった。

少しでもタケトと一緒にいたくて、ちょっとだけ遠回りした帰り道を思い出す。


「そのチョコ、誰にあげるの?」

「5年間、忘れられなかった人。」

「ふーん。」


酔っているのか、普段の私じゃ言えないようなことも、今なら言えた。


「ずっと好きだった、タケトのことが。」

「……えっ?」


タケトの歩みが止まった。