騙された?

「1年生の頃、川上さんが付き合ってた人を知ってる?」

「ああ、高橋とか言う奴だろ?」

「そうよ。彼はね、友達と賭けをしていたの。1ヶ月以内に抱くことが出来ればお金を貰える。そんなくだらないゲームのターゲットになったのが川上さんよ」

まじかよ・・・。

「高橋は女の扱いに慣れてるから、次々に女を落としてはお金を稼いでいたらしいの。でも、川上さんは落ちなかった。それが高橋のプライドを傷つけちゃったのね。・・・くだらないプライドだけどね」

すごいよ、純。さすが俺の彼女。

「そこから高橋の嫌がらせが始まったの。川上さんにしてみれば何が何だかわからない。昨日まで優しかった彼が、冷たくなって、暴言を吐く。悪いこところがあったら直すからって言ったけど、そんな事高橋には関係ない。最後の方はサッカー部の人たちを巻き込んで、川上さんとすれ違う時に嫌味を言わせてたらしいわ」

なんでそんなことに・・・。

「すべては高橋の腹いせね。・・・高橋と別れた後も嫌がらせは続いていたんだけど、そのときのサッカー部のキャプテンに一喝されておさまったのよ」

サッカー部のキャプテンって・・・

「その時のサッカー部のキャプテンは小早川 冬二(コバヤカワ トウジ)さん。小早川 未那のお兄さんね」

冬二さんか・・・納得。

純が未那と仲が良くなったのも、そのことがあったからなんだな。

「それで?」

今まで黙って聞いていた洸一が口を開く。

「俺たちにその話を聞かせて、どうしようって言うわけ?」

「さすが早瀬グループの御曹司ね。なにかしようとしてるのが分かるのね?」

「てめぇ。くだらねえこと言うんじゃねーぞ」

まて・・・・知りすぎだ。富谷はなんでこんなに情報を持ってる?俺と純のこともそうだけど、洸一が早瀬グループの社長の息子って知ってる奴は、そんなにいないはずだ。

「お前、何でそんないろんなこと知ってるんだ?」

俺の質問は

「ま、細かいことは気にしないで、そのうち分かると思うから」

軽く流された。

「ところで沢田君」

「なんだよ」

俺は富谷を睨みつける。

そんなこと全く気にも留めない様子で、言い放った。

「川上さんと、別れて」

は!?