もう、イルカショーどころなんかじゃなくて、私の全神経は左手に集中してた。

チラッと暁を見るとにこにこしている。

・・・・・なんで?
どうして嬉しそうなの?

冷静に考えてみると、罰ゲームで告白してデートして、手をつないで嬉しい??

私は暁が好きだから嬉しいけど・・・。

・・・・・・・ん?・・・・すき?
誰が?暁が?・・・誰を?私を??


・・・・・・!!いやいや・・・いやいや!!ないない!
それは、ありえない!!




『ありがとうございましたあ!』

あれ?イルカショー終わっちゃった?

全く見てないです・・・。


「あ~面白かったぁ」

舜君が背伸びをする。

暁と繋いでいた手はいつの間にか離されていた。

「純ちゃん、面白かった?」

舜君がいきなり聞くから、慌てちゃって、

「う、うん。あのジャンプは一流だよね」

と訳の分からないことを言ってしまった。


「「・・・一流?・・・」」

二人で声をそろえてそこだけ強調しないで!

二人は顔を見合わせて大笑いした。

「あはは一流ってなんだよ。純はイルカの二流って見たことあるのか?」

暁がおなかを抱えて笑い出した。

瞬君も大笑いしてる。

「えー、だってぇ・・・」

誰のせいだと思ってるのよぉ~~~!



しばらく二人の笑いは止まらなかった。