「あの〜、舜君に聞きたい事があるんだけど」

「ん?なに?」

なぜか沢田君兄弟に挟まれる形で座ってしまっている。

左に暁、右側に舜君がいる。

「身長何センチ?」

私の質問に不思議そうな顔をしたけど、答えてくれた。

「んー、163かな」

え!?
163?
私より10センチも高いの!?
・・・ショック。

「純ちゃんは?」

「え・・・153・・・」

「フッ、ちいせぇ」

ガーン。
小学5年生に『小さい』って言われる高校2年生ってどうなのよ。

暁はもっと大きいんだよね。そういえば、暁の身長知らない・・・。

暁の方に向いて

「あ、暁は身長何セ・・・」

言いかけて、固まる。

顔が・・・怖い・・・。
お、怒ってる?

ど、どうしよう。
話しかけられない。

思わず視線をそらしてしまう。



『こーんにちはー』

タイミング良くショーが始まったようだ。

た、助かった。

何故暁が不機嫌だったか、なんて分からず、始まったイルカショーに意識をむけた。



「おお!すげぇ!!」

ショーが始まると、舜君は夢中になっている。



ん?左手に何かが当たる感触があって、目を向けると

・・・え!?え!?


暁が私の手を握るところだった。
びっくりして暁をみる。


フッと悪戯っぽい笑顔で耳に顔を近付ける。

「舜とばっかり話しすぎ。手まで繋いでさぁ・・・純は俺のなんだけど」

あああぁぁぁああ!
もう、やめてぇ。

耳元で話すのは反則!

手を繋がれてるだけで心臓爆発しそうなのに!
しかもなんなの、その思わせ振りな発言!

罰ゲームだよね?
罰ゲームなんだよねぇぇ!?

「舜と手を繋いで、俺と繋げない・・・なんて無いよね?」

うっ、恥ずかしすぎる。
暁の顔なんて見る余裕ない。
ど、どうしよう、ドキドキしすぎて、心臓が爆発しそうで、
『おえっ』ってなりそう。
『おえっ』って・・・。