「久しぶりに来たな、水族館」

呟くように暁が言った。

「私も」

ワクワクしちゃう。

「僕、遠足が水族館だったんだけど、行けなかったから・・・今日はすんげぇ嬉しい!」

舜君は大はしゃぎしてる。
誘って良かったな。


何からみようか?なんて話をしていたら、場内アナウンスが入った。


『・・・本日11時より当館屋上 大プールにているかショーを行います・・・』

3人で顔を見合わせる。

「僕、イルカショーみたい」
「私も」
「俺も」

「決まり!屋上行こう!」

こっち!と、屋上への案内看板を見つけた舜君が、私の腕をつかむ。

「ち、ちょ、ちょっ、そんなに急がなくても大丈夫だから」

少し引きずられ気味に階段を上がる。

「舜!あんまり急ぐなよ」

後ろから追い掛けて来る暁に

「へーきへーき」

振り替えって満面の笑顔で答える。

あはは、可愛いなぁ。

お姉ちゃんも私の事、こんな気持で連れてきてくれていたのかな。
そう思ったら、何か胸があたたかくなった。




屋上に着くと、すでに人がいっぱいで、イスもまばらにしか空いていない。

「あー、前に座りたかったなあ」

残念そうな舜君に暁は

「後ろの方が全体がよく見えるから、いいんだよ」

と、一番後ろで空いている席に座らせた。


ショーが始まるまで、まだ少し時間があったから、水族館の入り口で聞きたかった事を聞いてみた。