あ〜、びっくりしたぁ。

いきなり机の前にいるんだもん。

しかも『至急電話して』ってメモを渡されるし。

バレないかドキドキしたんだから!


沢田君への電話が終わって教室へ戻る。

うわぁ、クラスの男の子に囲まれてる〜。

女の子達は少し遠くから見てる。
近付きたくても、沢田君雰囲気怖いから行けないんだよね。


「だから、違うって!」

人混みの中から、少し大きな沢田君の声が聞こえてきた。

私は気にしながら自分の席に着いた。


「なぁ、昨日一緒に帰った女って誰なの?彼女?」
同じバスケ部の栗原君が沢田君に質問してた。

『誰?』って事は、私だとバレてないのね。
ちょっとホッとした。

「うるせぇな。関係ねぇだろ!」

明らかにイライラしてる。

その時、
「暁!ちょっと」

早瀬君と成宮君が教室の入り口で、おいでおいでをしてる。

無言で席を立つと、3人でどこかへ行ったみたい。




それから少しすると、未那が入ってきた。

「おはよ。純、ちょっといい?」

「おはよ、あ、うん」

未那、怒ってる気がするのは何で?