何から話をしたらいいんだろう。

少しの間沈黙が続く。

「あ、あの暁・・・私も話があるの」

沈黙を破ったのは純からだった。

「いや、ちょっと待ってくれ、俺から話がしたい」

「え?・・・わかった」

俺はひとつ深い息を吐く。

「純は、俺が罰ゲームで告白したのを知ってるんだよな?」

「え!?・・・なんでそれを・・・」

おどろいた様子で俺を見る。

「ごめん。実は昨日教室で話したのを聞いてた」

「あ、そうなんだ・・・」

「純が抱えていた心の傷のことも分かった」

「・・うん」

「俺は大切なことを言わないまま付き合ってたんだな」

「え?」

「告白したときも、抱きしめたときも、言わなかったもんな」

「???」

純は少し首をかしげた。

「純」

「はい・・・?」

「俺は純が・・・・好きだ」

言った瞬間、純の目から涙が溢れる。

「ごめんな。初めからちゃんと言えばよかったよな」

首を横に振りながら

「私も・・・言わなかったから・・・」

小さな声で言う純。

まあ、正確には言えなかった・・・なんだろうけど。

俺も『好き』って言葉にした瞬間に気持ちが溢れてくるのがわかって・・言ってよかった。

「あ、暁」

「ん?」

純が俺を見て・・・

「あのね私も」

「うん」

聞かせてくれるの?

純からの言葉。

「・・・暁が・・・・暁が・・・」

ん?

・・・そこで止まるのか?

言って欲しい。

純の口からその言葉が聞きたい。

純の膝に置いた手が、ギュウッと握られるのがわかって・・・。


・・・怖いのか?

「あの・・・その・・・・・」

俯いたまま、その先の言葉が出ない。

「純」