大嫌いでも、大好きだから。


「またね、宮瀬さん。あ、紫音ちゃんって呼んでいい?」
「え、あ、はい」
「良かった。俺のことは松葉って呼んで」

嬉しそうにひらひらと手を振って、
彼は去っていった。


途端に静まり返る保健室。

私は黙って、
松葉君が出ていった方を見ていた。


梓が同じ空間にいる。
その事実に耐えられない。

置いて行かないでよ、松葉君。
と、少しだけ彼を呪った。