「話して」 鳳くんはそっと私の涙を掬うと、 優しく微笑んで言った。 静かな保健室。 カチカチという時計の音だけが聞こえる。 「……はい」 私は話し始めた。 「好きな人が、いるんですけど……」 「うん」 「その人に嫌われてて……」 言いながら、 また悲しくなってきて、 涙がぽろぽろと零れる。