まるで私が見たことなんて、
どうでもいいような。

私がキスシーンを見たって、
気にも止めないような。



「……しーちゃん?」


そう思うと急に頭が痛くなって、
また同時に吐き気がした。



「大丈夫?」

鈴が私の顔を覗き込んだ。
けれどやはり体調は優れなくて。


「ごめん。保健室行ってくるね」
「う、うん」

そう言って私は、教室を出た。