走り去りながら、 涙が止まらない。 どれだけ拭っても、 この涙は止まる事はなかった。 「私の、馬鹿……」 梓に冷たくされるたびに傷付いて。 梓が鈴と親しくするたび嫉妬して。 今、梓と女の子がキスしているのを見て、 死にたくなるほど胸が苦しくなった。 「……ふぇ……っ!」 こんな恋しなければ良かった。 恋なんて、したくなかった。