置いていかないで―。 「荒月!」 私は走った。 さびしそうな背中を追い。 「荒月、ごめん」 やっぱり言っておかないと…。 「べつに、答えなんて知ってるから」 と、狼はそっけなく言う。 そこは笑って言えよ。 なんなんだよ、傷ついているって思っちゃうじゃん。 罪悪感を感じちゃうじゃん。 私は荒月が幸せになってほしかった。 今までつらい思いしてきたんだから何か幸せをつかんでほしかった。 感情や自分の事を表に表わさない狼が幸せになって、 笑ってほしかった。