料理本を選んでレジに置いた。

「菊地やん!」

「え?あ!たかちゃん?」

菊地さんと目が合い、高原には気付かれないように小さく御辞儀をした。
俺と菊地さんが話したんは知らんからな…というか言えん。

「ここでバイトしてんの?」

「うん、そうなの」

「頑張ってなぁ!」

もうこの子は…、菊地さんバイト中やのに大きな声出して手を振ったら邪魔やんか。