村上さんは片手を挙げて何も言わずに座っているだけだった。

「相変わらず、あいつだけはわからんわぁ…」

五十嵐先生が言うと嫌味に聞こえない。
だから不良とかにも好かれてるのだろうなぁと染々と感じてしまう。

「菊地さん、もうじきチャイム鳴るからサボるんなら早く行きや」

「サボりませんし教師が言っていいんですか?」