教員に連れられてやって来たのは、あちこちに傷を作っている高原さんだった。

「すみません、福田先生、手当てしてあげて下さい」

「あ、はい。
高原さん椅子に座って」

「手当てしてもらったら、逃げずに職員室来いよ!」

高原さんは、舌打ちするだけで何も返事をしなかった。

「骨とか折れてない?
痛いとこない?」

「平気」